令和のはじめに

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今日は新しい元号の始まりの日です
読者の皆さんはどのようなお気持ちで今日を迎えられたのでしょうか。
日本は金融市場を10日間連続で休止するという先進国とは思えない状況ですがグローバル市場とつながるIR担当者の皆さんは、決算準備のため祝日と関係なく出社されている方も多いのではないでしょうか。気分一新、新しい時代に望みを託しながらも少しでも前進するための行動をしたいものです。

海外の資本市場でも様々な変化がありました

2018年1月より発効した欧州の金融規制MiFID 2(ミフィッド・ツー)のもと、今年3月に初めての罰則適用案件が出ました。日本ではあまり報道されていませんが、英国のFCA (Financial Conduct Authority 金融行動監視機構)主要なグローバル金融機関が2社に違反の罰金請求(出所: FCA Website) を行いました。このニュースを見たとき、投資家と証券会社の“馴れ合い”に後戻りはしないぞという当局の強い意思を感じました。FCAは年の後半に法令遵守の状況の詳しいレポートを発行するとのことで、市場関係者は一層緊張を強めているようです。
米国では、SEC(U.S. Securities and Exchange Commission証券取引委員会)が金融機関に与えていたMiFID2移行への猶予期日の2020年7月を前にMiFID遵守を促す動きを見せており、期限が延長される可能性は低いとみられています。

日本市場のニュースは

東京証券取引所のプレミアム市場創設(出所:日経新聞)の議論に注目です。今後は1部への上場・降格基準を厳格化していくというものです。これが現実化すれば上場企業の上場意義の議論までをも含む大きな影響が出てくることは必至です。
上場資格の判断の基準として「時価総額」、「コーポレートガバナンス」、「株式流動性」が挙げられています。とりわけ企業へのプレッシャーが高まるのはコーポレートガバナンスだと考えています。日産のゴーン元会長のニュースを目にするたび「日本の企業統治はどうなっているんだ」と感じる海外機関投資家は多いはずです。今回の東証の取り組みは、長年に亘り拭いきれないでいる日本の企業統治への不信感を払拭するための喫緊の課題となっているのでしょう。

IR担当者への影響は大きいとみています

経営の透明性、フェアディスクロージャーという意味では日本語・英語の情報発信を行う必要が出てきます。今はガイダンスのみですがこれが上場資格要件として組み込まれるとなると、IR担当者の業務レベルにおいて、MiFIDよりはるかに直接的なインパクトがあると考えます。
弊社では東証のプレミアム市場の議論とは関係なく、外国人投資家との直接対話を支援するツールを揃えています。普段から英語のコンテンツの拡充を図っておけばこのような大きな変化にも対応できるためです。

まずは英語の基地局の拡充を進め海外IRは「総仕上げ」に

最近MiFIDの影響もあり「証券会社がアレンジしてくれなくなった」、「アナリストのカバレッジが外れてしまった」ということで海外ロードショーのご依頼を頂くことが増えています。投資家との対話を持たれるのはとても良いことです。しかし弊社では「投資家との対話のための英語情報の準備はできていますか?」と伺うことにしています。
弊社がお手伝いできるのは、英語での情報発信の基地局拡充です。
まずお勧めするのは英文のスポンサードレポートの作成です。証券会社の売買推奨付きのレポートとは意義が異なります。企業の紹介や成長のストーリーを語る「中立的な英文のレポート」があってこそ、投資家は投資分析に着手できます。
また上場企業のウェブサイトのIRページは日本語の情報に偏重しているケースが多くみられます。「せめて投資家目線で書かれた成長のストーリーを語るレポートがあればもっとマーケティングできるのに」というケースが本当に多いのです。
まずは英文のスポンサードレポートの作成、それが出来たら中期計画や決算資料の翻訳、英文ウェブサイトの更新と言うように英語の情報発信の基地局を着々と盤石にしていくことが最も投資効率の良いマーケティングだと弊社は考えます。
海外IRはマーケティングの「総仕上げ」という位置付けです。

日本やグローバルの資本市場では大きな変化が起こりつつあります。それに振り回されない体制があれば安心です。
この変化の時代の中で、普段から盤石な基地局作りを進めおく事こそが最も堅実かつ「攻め」のアプローチなのではないかと考えています。
ぜひ弊社にご相談ください