謹賀新年、本年も宜しくお願い申し上げます
IRと言えば今やすっかり Integrated Resort (総合型リゾート)が有名になっていますね。元旦から5人の国会議員にカジノへの投資を目論む中国企業からの裏献金受領=汚職がニュースとなるなど「話題」には事欠かないIRです、(苦笑)。
一方、IR Investor Relations(投資家に投資判断を仰ぐ活動全般)はそれ程目立ってはいませんね。先輩のIR担当者から代々引き継いだ業務、つまり4半期決算と中期経営計画策定、社長の海外IRを軸に「年間スケジュール化」された業務に加え、社外取締役の就任やコンプライアンスの遵守等当局からの様々なご指導で膨れ上がる仕事量に耐えている方々も多いのではないでしょうか。今年は経営者と共に自社の「企業価値=フェアバリュー」について直に投資家と話し合う、というIRの本来的な業務が増えるような気がしています。
そろそろミフィッド・ツーがグローバルなスタンダードになりつつあります
日本の上場会社のほとんどが頼り切っていた証券各社のIRサポートが手薄になってきています。言い換えれば発行体自らがグローバルに投資家と直接対峙して株主を獲得しなければならない状況が実際に生まれています。
投資家の発行体を判断する基準にも大きな変化が見られます
今までの「成長と利益」を軸にした銘柄選びが変わってきています。これまではCSRという括りで「心地よく書いておけば良し」という風潮にも見えた企業の社会貢献活動。現在の投資家は企業活動に必要な原材料調達や環境負荷、経営陣や社員の倫理、道徳規範のレベルに至るまでを「リスク要因」として投資判断に組み入れています。(インテグレーション)現在は勿論、将来に亘って持続可能なシステムやプロセスを持った会社かどうかを問うようになってきました。
新春の財界懇談会でも「カーボン・ゼロ」が今後の日本の経営にとって必達の目標である、と声高に言われていました。現状の改善という程度の方策だけでは、前述の投資家を説得するにはほど遠いかな、と思いました。会社として持続可能性のあるシステムをいち早く確立し、現状の温暖化に対する社員を含めた会社、経営陣の倫理、道徳、志し、次世代にも受け継がれる持続可能性を確立するのだ、という「覚悟」は見えませんでしたね。
昨年の海外IRで日本のほとんどの経営者が口にしていた「流行語大賞」は?
答え:「我が社のプラットフォーム」
だったそうな、、通訳の方に聞いた話です。
趣味のために自己流英語でSNSを駆使して8年、今では年に2,3度は海外の趣味の友達に逢いに行くことを楽しみにしている私にとっては「なぜ今更?」と愕然としました(笑)。
米国企業群であるGAFAが制覇したソーシャルメディア(SNS)では「英語」が公用語であることを付け加えておきます。
こうした現状から「IR担当者」の社内への訴求、投資家へのダイレクトなアプローチは不可避なものだ、と思われます。
弊社は4年前から「グローバル投資家へのダイレクトアクセス」というコンセプトで事業を展開してきました
私は以前、証券会社で上場会社(発行体)と投資家をつなぐサービス=「ロジ中心のIRアレンジ」を手数料獲得のための付随業務として提供していました。弊社はまず、それを根本的に見直すことから始めました。投資家への事前インタビュー、投資家と本音ベースの意思疎通をするのに必要な英語力の習得、ローカライズされた英語資料の作成を提案しています。弊社のサービスが「英語」を軸にしているのは、ソーシャルメディアと同様、資本市場の公用語は「英語」であるからに他なりません。貴社と投資家が本音ベースでミーティングを行えること。当たり前のはずのこうした機会を実現させるための「道具と技術」を提供するのが弊社の事業コンセプトです。
弊社の事業コンセプトにご理解・ご賛同を賜りお陰様を持ちまして年越しが出来ました。
これまで弊社と関わってくださったお客様へ深く御礼を申し上げるとともに、新しい出会いに期待を込めて2020年の「新年のご挨拶」とさせて頂きます。
谷口 眞平